>>1当時二十歳♀
医者 五十半ばくらい?
会長 某大手水産会社の会長 年齢は分からないけど爺
wifi調子悪くてID変わったかな?
自分は母子家庭で、五人兄弟。
高校で必死にバイトと勉強をして
地元ではそこそこ難関で有名な大学に入った。
成績が良かったから返済不要の奨学金ももらえた。
大学生になってバイトも時間を増やせた。
それでも生活は楽にならない。
一番下は小学生の妹、当然お金はかかる一方だった。
授業に響かない程度に沢山バイトをいれた。
私大だから授業料は一年で100万近く、
それに兄弟の生活費。
母のパートと私のバイトでは賄えなくなっていた。
そのストレスで母は私をよく責めるようになった。
お金が足りないこと、水商売に手を出したこと。
どうすればいいのか分からなかった。
そんな時、家庭教師を始めることになった。
インターホンを鳴らすと
身なりの整った小綺麗なおじさまが顔を出した。
先生ですね、愚息ですがどうぞ宜しくお願い致します…
貧しく、両親はお互い不倫に夢中で
ろくに躾も受けてこなかった私は気が引けた。
品性って初見でも痛いほど感じるよね。
充分すぎるほど努力家で聡明な子だった。
3つ程しか歳は変わらない。
ノート一杯に書かれた予備知識を前に
なぜこんな子が家庭教師を、と教えるのを躊躇った。
90分はあっという間だった。
「先生、食事でも如何ですか?」
先程のおじさまが手招きをした。
リビングに向かうと、既に食事が整っていた。
お寿司だった。
息子のA君が
「こんなもので申し訳ありませんが」と謙遜した。
普段何を食べているんだ…
食事を摂りながら聞かれるがままに自分の話をした。
父親がいないこと。
兄弟が沢山いること。
沢山勉強したこと…
おじさまもA君も終始頷きながら話を聞いてくれた。
余談だが家のなかにエレベーターがある光景が忘れられず
大学の友達に話したら「うちにもあるよ?」と返ってきた。
その週末、派遣のバイトで
ホテルの清掃に向かうことになった。
清掃に取り掛かった。
婚礼によく使用される有名なホテルで
初めて足を踏み入れたことに感激した。
「ちょっと、この靴の汚れを取れる場所知らない?」
不意に白髪のお爺さんに声を掛けられた。
よく見ると鳥の糞が靴にべったりだった。
「お取りしますよ」
洗剤と歯ブラシで擦ると糞はあっさり取れた。
お爺さんは目を丸くして
「女の子にこんなことさせて申し訳ない、ありがとう」と
封筒を手渡して去った。
封筒には12万円入っていた。
返そうにもどこの誰だか分からない。
いつ会えてもいいようにそのまま持ち歩いた。
それから平日は家庭教師、
週末はホテル清掃に勤しんだ。
父親がいないことを知って以来、
家庭教師先では頻繁に食事に連れていってもらった。
有名なフレンチ、和食、
どれも一人では手の届かないレストランだった。
本当に良くしてもらった。
ホテル前でまたあの白髪のお爺さんに再会した。
お金を返す機会だと駆け寄った。
「あの、以前靴を掃除したものですが」
ああ、と笑ってお爺さんはお辞儀をした。
「あの時はありがとう」
「いえ、あの、お金を返したいんです」
「大した額じゃないからくれてやるよ」
お爺さんはまた封筒をくれた。
またどこかに行ってしまった。
今度は名刺が入っていた。
某水産会社の会長だということ、
彼のものであろう電話番号とアドレス。
その夜早速連絡をいれた。
とりあえずメールを作成した。会長さんはauだった。
『靴磨きの>>1です。勝手に連絡をしてすみません。
お金の件、せめてお礼をさせて下さい』
貧乏だったからお金を借りたり戴いたり、
奢られたりすることは、
真っ当な理由がないとじゃないと嫌な性分だ。
よく友人には損な性格だね、と笑われる。
貧乏性というやつだな 何となくわかる
まして靴磨いたぐらいで大金貰えるなんて、
普通何か裏があると思うよな
ほんとそう
すぐに返事は届いた。
時間は21時くらいだっただろうか。
『今 接待が 終わった ところです。
御丁寧に 連絡嬉しかったです
明日は 空いていますか?』
会長さんは独特な空白の使い手だった。
―明日は空いていますか?
「失礼ですが、どのような意味ですか?」
必死に考えても分からなかったからそう送った。
明日の 19時にホテル○○のロビーにおいで 下さい」
怖い、行きたくない。
けどお金も返したい。
悩んだ末、意を決してホテルに向かった。
俺ならチビリそうだ
ホテルがホテルだったため、
洋服は一張羅を選んだ。
出迎えてくれた会長はカラフルなスーツで、
ドン小西を彷彿させた。
「中華は好きかな?ここのは殊においしいよ」
部屋に直行するのかと思い込んでいた私は拍子抜けだった。
>>1がかわいいから釣られてやるか
でも釣りと思ってても読んでくれて嬉しい
食事は最高だった…が、
今後のことを考えると不安で胸がいっぱいになった。
会長は色んな話をしてくれた。
大体のホテルは名前を言うだけで部屋が取れること。
大学時代のこと。
仕事のこと。プライベートなこと。
そして、娘さんのこと。
保守ありがとう
「え…!」
携帯の液晶に映る女の人をみて、
思わず声をあげてしまった。
「>>1さんに似てるだろう?」
鏡を覗いたかのようにそっくりだった。
娘さんに似ているからここまでしてくれるのかな、と
ぼんやり考えた。
「今お幾つなんですか?」
「…亡くなったんだよ。生きていたら、えー幾つかな?」
何も知らずにずかずかと」
なんて地雷を踏んでしまったのだと後悔した。
傷付けてしまっただろう。
「君がそんなこと知っていたら警戒しちゃうよ。
生きてなくとも自慢の娘なんだ。別嬪だろう?」
私に似たのかな、と豪快に笑う彼が
会長である理由が分かった気がした。
同情されることは好まないので、
なるべくあっさり事情を話したつもりだったけど、
話し終える頃には彼は目に涙を貯めていた。
「…」ぐすん
「すみません、そんな大それたことでもないのに…」
「アヤ(仮名です)、苦労したんだなぁ…」
「アヤ?」
「娘の名前だよ」
「??」
「毎月少額でいいから振り込ませてくれないか」
「お気持ちは嬉しいですが
そうしていただく理由が私には…」
「何を言うんだ、君はアヤに似ている」
「理由になりませんよ」
「娘に似た子が苦労をしているのに放っておけないよ、
放っておきたくないよ!」
「でも無償でそれは流石に」
「じゃあ…仕事を与えよう」
名案だと思った。
「どんな仕事ですか?」
「ここに電話番号を書いて。後で秘書から連絡させるよ」
どうやら秘書とは、
ずっと一緒というわけでもないらしい。
その後、何事もなかったかのように
タクシー代を渡され解散となった。
「今日は本当に楽しかった!」と連呼する会長を見ると
何だか本当のお父さんのように思えた。
また怒涛の謝罪とお礼のメールを入れることとなった。
貧乏だけど、誰かから同情されて、
恵んで貰いたいと考えていた訳ではない。
貧乏だからこそ、
プライドを持って自らの手で稼いでいきたい。
だから、今回の出逢いはうろたえることの連続だった。
そう言えば今まで誰かに頼ったことはない。
会長の「就労」とやらも忘れかけていた。
家庭教師は相変わらず「重要」と
赤ペンでびっちり埋まったノートとのにらめっこで、
自分のレポートは〆切との追いかけっこだった。
学費はどうにか間に合いそうだったが、
母からの追い討ちは手を緩めてくれなかった。
誰かにすがることをしてこなかった人間だ。
が、その頃は持病のメニエール病が悪化していたらしく、
働くのが困難になっていた。
「お金を…」とせがまれることが多かった。
生まれた頃から実家は某カルト宗教団体にはまっている。
多忙な時期に、知らないおばさんが家を訪ねては、
「ちゃんとあなたが信心しないから
お母さんこうなっちゃったのよ!」
「何もしてないんだからせめて祈りなさい!」
と一方的に好き勝手喋っていった。
そのお陰で、入学時に
「あんたあんな大学に行くなんて地獄にいくよ」と
周りの信者に散々言われ、目が覚めた。
他人の努力を
勝手な偏見で野次るような宗教が誰を救うんだ。
認められたり、報われたりしないと
人間はやる気を殺がれる、とは知らなかった。
今思えば、もう限界が近付いていた。
A君とおじさまには
「栄養が不足していませんか?」と度々気遣われた。
その心配さえ素直に受け入れられず、
「ダイエットをしているもので」と嘘を吐いた。
「無理なダイエットは宜しくありませんよ、
コラーゲンというものは
飲んで肌に作用するものではありません…
あ、キツければ授業減らしても構いませんからね?」
おじさまはやはり医者だ、と思った。
「大丈夫ですよ、本当にありがとうございます」
「せめて何か栄養のあるものを食べましょう、
今週末空いていますか?Aとお食事致しましょう」
「いつも連れていってもらってばかりなので忍びないです…」
言い終えた瞬間に綺麗なキッチンが目に入った。
「宜しければ、私に作らせていただけないでしょうか」
最初こそ悲惨だったが、歳を重ねるにつれ、
「美味しい」と褒められるようになっていた。
しかし、
「本当に美味しいものを沢山食べることで舌を肥えさせると、
自分が料理をするときに決して不味いものは出来ない」
というおじさまの口癖がネックだった。
果たして、彼らの口に合うのだろうか?
「それはいいですね、じゃあお願いしましょう。
食材はこちらが用意致しますから何なりと仰って下さい」
何とか彼らが喜んでくれそうなものを作りたいと切望した。
インターネットや本屋さんでレシピをみて回った。
翌朝、
「○○会長のお申し付けによりご連絡差し上げました」
と電話が入った。
案の定、例の「就労」だ。
ご自身が生活に差し支えのない程度に、とのことです」
ひとつ。
食品のモニター。食べて感想を送る、というものだった。
ふたつ。
送られてきた何らかの文書を英語と中国語に訳して返す。
みっつ。
定期的に送られるテーマに沿ってレポートを書く。
結構な量になるらしい。
ご覧の通り、
本来ならわざわざ仕事にしないようなものばかりだった。
>>1は今何歳?あと美人?
今は22です。
私が美人かは分かりませんが
ネットやチラシ、ヘアカタログモデルをしてたので
何処かでお会いしたかもしれませんね。ご参考までに。
「では、二つ目でお願いします」
「翻訳業ですか?」
それが一番仕事っぽいと思えたからだった。
「ではこちらから契約に於いての書類を
発送させて頂きますね。
給料は恐らく歩合になるかと」
充分だと思った。
「ありがとうございます」
「こんなこと会長が言い出して、
びっくりしましたでしょう。
頑張ってくださいね」
それほど心配はしなかった。
訳なら腐るほどしてきた。
大丈夫だろう。
そして迎えた週末。
あろうことかおじさま達の前で、倒れてしまった。
ソファーベッドに横たわっていた。
おじさまが冷静に対応してくれた、とA君に聞いた。
恐らく貧血だろう、とも。
「心配しましたよ、倒れちゃうから」
「ごめんね、A君お腹空いたでしょ」
「先生が元気なのがいいんです、食卓を囲む時は尚更」
まじまじとA君を見る。
よく見たのは初めてかもしれない。
…野球選手のムネリンとやらに似ているらしいけど、
テレビをあまり観ないから分からない。
「ありがとう」
そう言うと、
「先生の教えかた好きなんです」とはにかんだ。
>>1です。
スマホの調子が宜しくないので
トリップをつけておきますね。
おじさまが戻ってきた。
「ダイエット無理しすぎていませんか?」
おじさまは恐らく
ダイエットじゃないことに気付いていただろう、
A君の手前そう気遣ってくれた。
「今夜はどうぞお泊まりになってください。
ゲストルームが空いていますから」
「そうだよ先生、今日は無理しないでよ」
「ありがとうございます」
目の前の慈悲溢れる親子と会長。
彼らに会って、
沢山お礼を言えるようになったなぁ、と感じた。
10畳ほどの洋室にだだっ広いクローゼットがあった。
ウォーキングクローゼットというらしい。
そんなものはテレビの所謂「セレブ」と
持て囃される人のみの所有出来るものだと思っていた。
最も、そういう番組を観ても、
セレブ、とは有名人という意味で
お金持ちを安直に表すわけではない、
なんてことしか考えられないくらい物欲もない。
なんならこの4畳ほどのクローゼットで生活出来そうだ。
元々二世帯住居にする予定だったらしく、
二階にもお風呂やトイレ、洗面台、
果てはキッチンまでも完備されていた。
時刻は21時をまわっていた。
とのアドバイスでさっとシャワーを浴びることにした。
部屋に戻るとドアの前に、
アロマの加湿器が置いてあった。
丸い形状で、水が揺れ動くのを外
から眺められる構造だ。
置き手紙があった。
「お好きなフレーバーをどうぞ。お大事に。A」
箱の中にはラベンダー、グレープフルーツ、
グリーンティー、ラベンダーの香料である瓶が入っていた。
彼の精一杯の見舞いに、入れすぎだよ、と思わず笑った。
5時半にはおじさまも起きてきて、
目一杯私の体調を気にしたあと、
ウォーキングに出掛けられた。
和食と洋食はどちらが良いか尋ねそびれたので、
どちらも用意した。
IHの三口コンロを使ったのは初めてだったが、
こんなに便利なのかと感動した。
散々お世話になっといて、
こんなことしか恩返し出来ていない自分に嫌気がさした。
A君も着替えてリビングにやってきた。
「ご飯、先生が作ったんですか?!
もっと寝てて良かったのに…」
「こんなことしか出来ないからさ。
A君、昨日のアロマありがとう。快眠だったよ」
「よかった、何の香りにしました?」
「グリーンティー。
グリーンティーって香りがあるんだねぇ」
そうでしょ、とA君は嬉しそうに頷く。
「先生、あれ、あげます」
「あれ、少し前に先生の為に買ったんです」
お年玉で情けないですけどね、と
A君が笑う横でそういえば、と思い出す。
あれ、新品だったような…
「先生に教えてもらい始めて、成績伸びたんです。
父にも誉められました」
「あれだけ努力できるんだから
私の力なんて微量すぎるよ」
「あれだけ努力してたのに今まで分からなかったんです、
先生のお力でしょう?感謝して当然です!」
うっ、と息詰まる。
この子は人を丸め込む天才なんじゃないか。
やっぱり育ちが良いからか…
朝食に箸をつけないうちに帰宅の準備をした。
おじさまにもお礼を言いたかったが、
噂通りおじさまの朝風呂は長い。
仕方ないので置き手紙をして家を出た。
駅まで送ってくれたA君は、ずっと
「如何に朝食が美味しかったか」を語ってくれたので、
気恥ずかしかった。
電車に乗って、戴いたアロマの箱を見つめる。
そういえ、10万円頂いても、
こんな小洒落たものを買う発想に至らなかった。
というか、相変わらず余裕はない。
自分の世界に全く違う色が加わっていく。
それが斬新で嬉しかった。
自己嫌悪が脳内で犇めくようになった。
もう全て投げ出したい。
何もかもを捨てて旅でもできたら、と
憧れを抱くようになった。
一週間も経たない内に、
会長から書類が沢山送られてきた。
文章とは、小説だったり、エッセイだったり、
論文だったりとジャンルはバラバラだった。
共通して、あまり文章量が多くないことに気付いたのは、
それらを一週間余りで訳し終えた時だった。
データを送ると、秘書の方から
「会長が非常に喜んでいらっしゃいました」
と連絡がきた。
宗教のおばさんに言われた、
「あなたはなにも出来ない」
その言葉がずっと心に残っていたらしい。
私でも誰かの役に立ったじゃないか。
もう少し頑張ってみよう。
単純だけど心からそう思えた。
何だか済まない気持ちだった。
その後、お陰で免許を取ることが出来た。
それから少し経った頃。
樹木の葉は紅く変化し始めただろうか。
「先生、父が倒れたんです」
「こんな時間に非常識なのは承知しています、
すみません」
深夜にA君からの連絡を受けた。
財布、携帯を持ってタクシーで病院に駆け付けた。
紹介がないと入れないという大きな総合病院のロビーに、
A君は佇んでいた。
「意識はあるみたいです、今原因を調べているようで」
流石に心細かったのか、落ち着きがない。
「…医者にかかっているからもう大丈夫だよ、
安心して待とう。一緒にいるから」
こんな言葉がやっとだった。
おじさまの奥様は
ずっと昔にお亡くなりになったそうです
「医者でも医者にかかるんですよね」
A君は当然か、というように項垂れる。
先述の通り彼には母親がいない。
唯一無二の肉親だ、と聞いていた。
深夜のロビーで二人、ただ待つほかなかった。
意識しない内におじさまの担当医とおぼしき
男の人がA君を呼び出した。
戻ってきたA君を前にして、病状は聞けなかった。
「暫く入院だそうですが、
ひと安心と言ったところです。
呼び出してすみません」
あまりにも気丈に振る舞うから
子供扱いをするのは気が引けた。
「いいよ、寧ろお世話になってきたから
今度こそは私が手伝いたい。何か出来ないかな」
これならきっと彼の自尊心を傷付けないだろう。
「先生」
少し考えて彼は答えた。
「じゃあ家事を手伝ってくれませんか?」
あと、英語と中国語専攻もないわけじゃないが
専攻はどちからが多い
いや、早慶に旧帝大って可能性だってあるぞ
それに英語が第一外国語で
中国語が第二外国語だとすると可能性は無限に広がる
少しでも手伝っていただけたら嬉しいです」
A君は続ける。
「ダメならいいんですが、
父の様子も部活もあるので全部は…。
バイトって形でいいから住み込みでお願いしたいんです」
「全然構わないよ、無償で」
大学もあらゆるバイト先もA君の家からの方が近かった。
今まで一時間半かけて実家から大学に通っていたから、
好都合な提案だった。
何より、恩返しが出来る気がした。
良スレだな
A君、迷いました;
大学から帰宅して、
着回せそうな服と簡単な荷物を
キャリーバッグに詰めて出発した。
無意識でアロマも持っていた。
会長からの仕事も怠らないように
ノートパソコンも持った。
入学時に「大学生なら要るでしょう」と
唯一買って貰った宝物だ。
家に着くとA君は既に帰宅していた。
「これ、鍵です。
先生の部屋は以前使って頂いたところでいいですか?
必要そうなものは置いておきましたが
他にあれば何でも仰って下さいね。
あ、22時以降は用事があれば電話しますね。
荷物運ぶの手伝います」
捲し立てたのは彼なりの気遣い。
くすりと笑った。
「これ、持ってきてくれたんですね」
今までの生活を変えられるような気分になる。
今までの生活が嫌いな訳ではない。
でも、周りの子達のように
少しでいいから自分のために
思いっきり時間を遣ってみたい。
そんな、誰にも言えない内に秘めた
モヤモヤを形成したようなお守り。
もう少し頑張って、
頑張った先でこの生活を必ず変えてみせる。
アロマを焚くとそういった不思議な気持ちになった。
A君とおじさまに与えて貰った勇気だ。
ここでの生活は手を抜くことなく尽くそう。
そう決意してゲストルームに入った。
>>1の心の中には黒い部分、
例えば他人の失敗を非難する所とかない?
非難する余裕がなかったんです。
自分のことで必死で、他人に構ってられないというか。
ものが無いのは当たり前、
他人と自分は違うって早い段階で気付いていたから
羨むこともなかったです。
今思えば諦めに近いですね。
部屋には学習机の上にデスクトップのパソコン、
テレビ、ベッド、ソファーと
文句のつけようがない家具が揃っていた。
荷物を整理すると時刻は17時を指していた。
A君はお見舞いなのか、出掛けて居なかった。
私もお見舞いに行きたかった。
が、血の繋がりのない自分がしゃしゃりでるのはな、
と思い留まっていた。
まだ暫くは安静にしていないといけない筈だ。
気を遣わせるわけにはいかない。
お風呂の掃除と準備を済ませて夕食作りに取り掛かった。
レストランのようには無理だけど、
ハンバーグとサラダ、コーンスープを作った。
工程が簡単だったからすぐ終わった。
ハンバーグが焼ける頃にA君が帰宅した。
夕食を食べながらA君が言う。
「本当はお手伝いさんを頼もうと思ってたんですけど
打ち解けていない人が家をうろうろするのに抵抗があって」
人懐こい印象のA君からそんな言葉が出るのは意外だった。
…思春期だし当然か。
「家庭教師、今まで通り教えてくれますか?
家事頼んでいるから何か頼みすぎてるような」
「えっ、どんどん頼ってほしいよ。今まで通り頑張ろう!」
君なら私が居なくてもやれそうだ、とは口にしない。
「典型的だけど、
やっぱり僕医者を目指そうと思います。
これからもご指導宜しくお願いします」
良い子だな。本当に良い子だ。
「A君家のような家庭でも幸せだっただろうな 」
ポツリと本音がでた。
と言っていました。僕もそう思います」
「図々しいかもしれないですが、弟と思って下さい。
僕達は家族みたいに先生を思っていますから。」
これまで淡い失恋で涙することは確かにあった。
けれど、割と楽観視して生きてきたから
辛くて泣くことは殆んどなかった。
「先生!何で泣くんですか!」
慌てたA君の声で気がついた。
私は初めて嬉しくて泣いていた。
心の底では今までだって
家族のように思っていたのかもしれない。
気持ちが通じあったような気分になった。
「私がお姉ちゃんだったら…スパルタ教育だよ」
「今と何が変わるんですか」
「えっ、スパルタだっけ?!」
「冗談ですよ」
目が合ってお互い吹き出した。
こんなに自然に笑ったのは久しぶりかもしれない。
家族には定期的に会いに帰った。
お金さえあれば母が家事をする。
あなたはバイトと学校に精を出して、
と言われたので後ろ髪ひかれることなく集中した。
もっと本音を言うと、宗教のおばさん達が
毎晩のように野次に来ていたので逃れられて良かった。
おばさん達は、私だけは許せなかったようだ。
そんなとき、会長から一通のメールが届いた。
「どうしていますか?
貴女の 学校付近に 立ち寄る用事が 出来ました
ランチでも 如何ですか。」
ランチのお誘いは好都合だった。
それなら時間を削ることがない。
是非、と誘いにのった。
あっという間に当日はきた。
その日は丁度午後からの授業が休講だった。
指定された待ち合わせに向かう。
「!」
相変わらず派手な会長がそこにいた。
案内されたのはイタリアンレストランだった。
「さ、好きなもの何でも頼んで」
「…」
「美味しい、
こんな美味しいお店知ってるなんてグレイトー!
って言われるのが嬉しいんだよ」
「それどこのお姉ちゃんに言われたんですか」
笑って言うと会長はいつものように豪快に笑った。
近況を軽く話すと、
「そうだったのか」と会長は考え込んだ。
「仕事の期限はいつでもいい。
どれだけ提出が遅れても、
給料だけは毎月きちんと払うことも約束するよ」
冗談好きな会長が真面目な顔をする。
「だから、今はその人達の為に尽力するんだよ。
何かあれば必ず助けるから
…君が誰かの役に立ちたい、と思う
その気持ちは貴重なものだ。
尊重するんだよ。決して無理はしないように」
その言葉だけで嬉しかった。
おじさまが面会出来るようになったと聞いた。
すぐさまA君と病院に向かった。
来てくれてありがとう、
こんなところを見せるのは恥ずかしいな、
とおじさまは笑った。
「大した病気ではないが、私も歳だから
あと1ヶ月は入院せざるを得ないだろう」
言葉を探すうちにおじさまは
「家のこと、すみませんが頼みます。
お金はAが把握しているので好きに遣って下さい。
贅沢していいんですからね。
家のものも全て好きにしてくださいね。」
と続けた。
でも今はおじさまの気遣いを無下には出来ない。
「…お部屋、更にピカピカにして待っていますから
楽しみにしていて下さいね」
「それは楽しみだね、早く退院しないと」
少し痩せた気がしたが、顔色が良かったので安堵した。
「>>1さん、たまには僕を頼って下さいね」
今、不安なのはA君の方だろう。
「もう十分頼っているよ」
「僕は弟ですよ、遠慮したら怒りますからね」
優しい弟を持ったな、としみじみ感じた。
自分がこんなに打つのが遅いなんて。
長引いてごめんなさい。
難なく日々は過ぎていった。
あれから会長とは頻繁にメールで近況をやり取りした。
A君は模試で校内2位を取った、
先生のお陰だ、と言うから二人ではしゃいだ。
ただのゲストルームは気がつくと
「>>1さんの部屋」という札が掛けられていた。
可愛いウサギの飾り付きだった。
「これA君が作ったんだよね、ありがとう!」
「サンタじゃないですか?」
「まだまだサンタのおじさんは準備中だよ」
「じゃトナカイかも」
「素直じゃないやつめ…
この家には随分サプライズ好きなトナカイがいるものだね」
「…」
そうこうしている内に、
おじさまはあと2週間で退院というところまで快復した。
これまでご飯が進むような料理を振る舞ってきた。
だけどおじさまが帰ってくるとなったら、
食事は第一に気を付けなければならなくなる。
糖尿病の人向けのレシピ本を見付けたのでそれを購入した。
併せてネットでも情報収集を欠かさなかった。
大学や高校時代の友達は私の状況を把握している。
無理に遊びに誘わないどころか、
病気の方でも安心して食べられるレシピを
たくさん教えてくれた。
2週間、練習しよう。
美味しい料理を作ってA君と待っていよう。
悪気がある訳じゃないので悪しからず。
自分のペースで書いて下さいな。
参考にしていただけで糖尿病ではないです。
言葉足らずでしたね、気を付けます。
恐らく味は薄くて物足りなかったであろうご飯も
A君は文句ひとつ言わずに平らげてくれた。
もうすぐこの生活が終わる。
変化を挙げるとしたら、
A君とは軽口を叩けるような間柄になっていた。
A君の部屋は一階にある。
ドアには私が作ったネームプレート。
もうすぐ、これを毎日見ることはなくなる。
少し寂しくなっている自分がいた。
講義も終わり、家でレポートと
A君への抜き打ちテストを作成している時だった。
時刻は16時を過ぎていた。
突然、インターフォンが鳴った。
モニターで確認すると、
名門と呼ばれる高校の制服を着た女の子が立っていた。
「A君と約束している者です。
A君に家で待ってるように言われたので通してください」
即座にA君に電話したが、繋がらない。
相手は高校生の女の子、
外で待たすわけにもいかない、か…?
確認がないので気が引けたが、
こんな女の子が何か出来るとは思えない。
仮に何か起こったなら、全力で責任を取ろう。…
一応ペットボトルを護身で持っておこう。
葛藤してドアを開けたら、
倖田來未さんのようなメイクを施した
お洒落な女の子が入ってきた。
クロエ?とかそういう名前の香水だ。多分。
「お邪魔します」
深々とお辞儀をし、靴を揃えて入る。
偉いなぁ、と思わず感心する。
化粧の厚さはコンプレックスの厚さだと聞いたことがある。
顔立ちは整っている感じなのに勿体ないな、と感じた。
なんなら素っぴんでも可愛いだろう。
まじまじと眺めていると、
真っ直ぐこちらを見据えて彼女は言った。
「私、A君の元カノです」
可愛らしくて礼儀正しい子と付き合っていたんですね!」
本当の姉のような心境だった。
「A君全くそんな話ししないから心配だったんですよ、
座ってお茶でも飲みましょう。
あ、お名前お伺いしていませんでしたね。
私は>>1と申します」
喋りすぎたようだ、彼女はぽかんとしていた。
「カナちゃん。
今日はA君とどんな約束をしていたんですか?」
カナちゃんは出したばかりの紅茶に砂糖を入れながら答えた。
「約束っていうのは嘘です」
「家庭教師さんに会いに来たんです。さぁくんに内緒で。」
「さぁくん?」
A君のことであるだろうが、
苗字も名前にも「さ」は付かない。
「周りの女子と被らない呼び方を適当に考えただけです。
さぁくんモテるから」
「そういえばA君(いや、さぁくんか)と
カナちゃんは違う学校だよね」
「電車で見掛けて好きになったんです」
カナちゃんは恥じらって頬を赤らめる。
乙女だな、とにやける。
「その前に訊きたいんですが」
カナちゃんが紅茶を混ぜる。
ミルクが綺麗に溶けていく。
ケアしてある手先が美しくて、
吸い込まれるようにただ見つめる。
「さぁくんに惚れてないですよね?」
思いもよらない質問だった。
考えたこともなくて、言葉に詰まった。
一瞬の沈黙の中でカナちゃんの瞳は強気で、不安げだ。
それに嘘はない。何に誓ってもいい。
「考えたことなくて吃驚した…」
素直にそう答えた。
カナちゃんは本当に?と言いたげな目で、
「それなら相談に乗ってくれませんか?」と続けた。
「よりを戻したいんです、
さぁくんの好みとか知りません?」
そうきたか、と呆気にとられる。
「好み?女の子の?」
「モノでも女の子でも…
簡単に言えばもっとさぁくんの理想に近付きたいんです。
あとプレゼント攻撃もしたい」
恋愛のれ、の字もかじれてない私の
小さな思考容量がフル活動しだした。
というか、よく考えたらそんな経験がなくて解らない。
「A君にはもう告白したの?」
「してないです、出来る雰囲気じゃないし」
「隣の高校だからよく色んなところで会えるけど、
さぁくん勉強ばっかり」
そう言って、長い髪の毛の毛先をくるん、と遊ばせる。
どこかで、
「女性が毛先をいじりだしたら貴方に気がない証拠だ」
と読んだ。そうだ、男性用雑誌だ。
確かにこの仕草は拗ねているように見えなくもない。
「さぁくん、
どこの大学目指しているんですか?私も頑張ろうかな」
「国立大って言ってたよ」
「え…猛勉強どころじゃないじゃん…」
カナちゃんの顔色がみるみる暗くなっていく。
「成績悪いの?」
勉強時間や方法まで詳しく尋ねたくなるのは、
家庭教師の性だろうか。
「成績は悪くないけど国立はどうだろ…」
「一緒に勉強しない?とか効かないのかな、
ベタだけどお菓子とか作って差し入れるとか…
あまりしつこくならないように適度に」
「それいいかもー!ナイスー!適度にね、覚えとこ」
A君のこと、本当に好きなんだな。
どうかこの可愛い子の恋が上手くいきますように。
嬉々としてプランを練るカナちゃんを横目にそう願った。
時刻は17時を回っていた。
「カナちゃんご飯食べていかない?
簡単なもので良ければ作るよ」
大したおもてなしも出来ないのはお手伝い、
…いや、姉として何だか不十分だ。
「ママに怒られちゃうからお気持ちだけで」
間髪入れずに断られる。
そりゃそうだ、流石に慮りに欠けたな 、と
一瞬でばつが悪くなる。
「でも」
カナちゃんが毛先をくるくるしながら言う。
「楽しかった。
今度はちゃんとさぁくんに許可を取ってきます」
「是非!」
…彼女として来てくれたらな、と静かに期待した。
家の人と連絡もとれないなら、
いくら約束したと言っても
家に上げるべきではないような・・・。
改めて来てもらうとか、
そもそも来客には対応しないとかするべきだったのでは?
でも読んでる限りでは、
人を疑う事を知らなかったんだろうね。
下記にもあるように
これがもし危険な人だったらと後悔しました。
思慮というのは付け焼き刃では到底出来ませんね
帰宅したA君に数時間前の出来事を話した。
秘密で、とカナちゃんは言ったけど、…そうもいかない。
カナちゃんにも後ろめたくて、ジレンマを感じていた。
黙って聞いていたA君は少し笑って
「知っていますよ」
と言った。
「なんだ、秘密のつもりだったのか。
昨日夕方会ったときに言われましたよ、
家庭教師さん見に行ってやるって。
どうせカナのことだから
実行するだろうとは思っていたけど」
「勝手にあげてごめんなさい」
「押し掛けたのはカナだから謝らなくていいよ。
ここは自分の家同然ですよ?
母さんが生きてたら多分、そうしてたよ」
母さん、と聞いて動揺する。
亡くなったと聞いてから一度も触れてこなかった話題だ。
A君はいつも気丈で、
人が自分に気を遣うことを特に嫌う。
先述のような失態を起こしても、
「自分の家同然でしょう」と然り気無くフォローをする。
私が1つの出来事をひきずる性格だと知っていて、
そうして場の雰囲気を悪くしないように
気遣ってくれるのだ。
「あ、でもどれだけサンタクロースみたいな人でも
それは開けちゃ駄目だからね」
「どういう意味でしょうか…」
そんな冗談も交えてきちんと諫めてもくれる。
私にはその懐の大きさは真似出来ない。
どっちが年上なんだ、しっかりしよう。
洗い物をしながら考え込んだ。
―母さん。
こんな良い子に育っているA君を産んだ人。
どれだけ素敵な方だったのだろう。
お会いしてみたかった。
お店のポップは「恋人や家族」というワードが強調されて、
BGMはマライア・キャリーやワムが延々と流れる。
世間はクリスマスイブ。
贅沢は出来ないけど、
病気を患っていても食べられるレシピを探して
クリスマスらしい料理にした。
掃除をしても時間が余ったので、
まとめていた荷物を確認した。
「ただいま」
A君が嬉しそうな声を響かせる。
「本当に綺麗だ、ありがとうございます」
久しく聞けなかったこの家の主の声。
おじさまが退院した。
そんなに細かく会話等覚えてるもんかな?
多少は脚色あるとしてもさ。
何か目的ぐあって作られてる様な気がする
のは俺だけ?
中には事実ぽいのもあるけど。
ま、結果としては読んでおもしろきゃいいんだけど。
会話は何となくで書いてるんじゃない?
それを読み返しつつ会話を補完し書いていますよ。
案外覚えていないものですよね。
あからさまに印象を操作しかねない脚色は控えています。
また、特定されかねない情報は少し変えています。
おっさんか…おっさんと思ってくれていいです!
食事も終え、久しぶりに三人での団欒を迎えた。
実家はクリスマスを決して祝わないので新鮮だった。
(と言いつつ一番下の妹にはプレゼントを発送した)
「Aの成績がとても伸びたそうですね。
ひとえに先生のお陰でしょう。
ご迷惑はお掛けしませんでしたか?」
テーブルの向こうでおじさまがペリエを注ぐ。
おじさまは炭酸水が好きだとA君がよく話していた。
僕には分からない、とも。
「とんでもないです!寧ろ私がご迷惑をお掛けしました」
「先生のお陰で私も安心して家を開けられましたよ」
ワムとか倖田來未とか
おっさんが知ってそうな芸能人しか出て来ないw
でもテレビ見ない人もいるしわからない。
テレビに親しみなかったんです…(;;)
見てもお笑いとか映画だったし…
好きな歌手は浜田省吾さんだし
おっさんと思われても何も言い返せないです……
あ、阿部真央ちゃんが大好きです
「そんなことは…」
言いかけた途端、
「先生!」
後ろからA君が顔を出す。
「これ、僕と父からの感謝の気持ちです」
と、シックな小袋を差し出された。
振り返るとおじさまが微笑んでいる。
「!?」
言葉が出なかった。
これも見返りを求めないただの感謝の表れです」
「でも私何も用意していないのに受け取るのは」
私の心を読んだようにA君は続ける。
「忙しい中、料理に洗濯に掃除、
どこが何もしていないんですか!
僕達がしたくてこうしているんです。
遠慮しないで下さい」
「本当にいいんですか?」
「しつこい女の人はモテないですよ」
A君は相変わらずフォローがうまい。
お礼を言って受け取った袋からは少し重みを感じた。
ルイヴィトンと読める箱に、長財布が横たわっていた。
ワインレッドいうか、パープルというか。
照明の当たり方で微妙に見え方が変化する。
初めて出会った色だった。
アマラントというらしい。
艶々した生地は手触りがとても快感だ。
「…こんな素敵なものを戴いていいんですか?」
「使ってくれますか?」
A君が心配そうにこちらを窺う。
「当たり前です!家宝にします!」
おじさまがにっこり笑った。
お手伝いのバイト代なんて
受け取ってくれないでしょうから、と
二人で相談して財布にしたらしい。
私の世界に色がまた1つ増えた。
私の名前のイニシアルが入っていた。
それを確認して改めて家宝にしよう、と本気で思った。
後にも先にも…先のことは分からないけど、
今のところは、
ブランド品と呼ばれるものはこれしか持っていない。
他には要らないし、買うこともねだることも絶対にない。
今は背伸びしているけど
この財布の色に見合った女性になろう。
いつか二人と、
そして会長さんと会えなくなってしまっても
私が傲慢になって怠惰にならないように、
この気持ちを忘れないように、
この財布は肌身離さず持ち歩こう。
じんわり暖かい気持ちを涙に変えないように、
堪えるのは大変だった。
私と素晴らしい高校生との共同生活は終わった。
まだいていいのに、と二人には引き留められたけれど、
親しき仲にも礼儀あり。
これ以上二人の時間を邪魔できない。
翌朝、朝食を一緒に摂って、彼らにお礼を言った。
どれだけお礼を言っても言い足りないくらいだ、と言うと
「先生、家族に何をそう気を遣っているの、
小さい頃はサンタクロースが来るもんだよ」と
A君に頬をつつかれた。
「私もう成人しているんだけどなぁ」
「…トナカイからのプレゼント忘れていません?」
A君が例のネームプレートを手渡してくれた。
おじさまがにこやかに訊ねる。
「A君が作って下さったんですよ」
「ほう、幼稚園の頃から
手先は器用だと思っていたけれど…
これはすごい完成度じゃないか?」
おじさまが目を丸くしてプレートを眺める。
「ただ勉強の気分転換に
既製品をボンドで繋ぎ合わせただけだよ、
父さんならうさぎごと作っちゃうだろうけど…」
A君が恥ずかしそうに説明する。
鞄にしまって帰路へ就いた。
電車のなかでデジャブだ、と考えた。
アロマの時も、今も。
戴いたのは 物だけじゃない。
デートであろう、寄り添う周りのカップルを見渡して
財布に視線を落とす。
こんなに温かくて不思議な気持ちになったことは
今までたったの一度もない。
大切にされている実感というのだろうか。
血の繋がらない「他人」を「家族同然」だなんて。
この見えない信頼関係を絶対に壊したくない。
あの親子と会長には自分なりに一所懸命に尽くしていこう。
武士ってこんな忠誠心だったのかも、
いや比べ物にならないか、とのんきに考えていたら、
乗り過ごしてしまった。
ドアを開ける。玄関には知らない靴が
2、3足並んでいた。
何故だか分からないけど身震いがした。
理由はないけど、
ここにいてはいけないと本能が察知している。
「帰ったの?」
母が顔を出す。
「どうしたのその格好…」
なにやら正装だ。
それに母よりは若そうな男性が
背筋を伸ばして正座していた。
それに、母方のおばあちゃんまでいる。
一斉にこちらを見るものだから、少々怖じ気つく。
雰囲気がものものしい。
「初めまして…」
挨拶もそこそこに、
突然スーツ姿の男性がこちらに居直す。
「突然ですみません。
私はお母様とお付き合いさせて頂いている者でTと申します」
「今日は、お母様と結婚をさせていただきたくて
こちらに参りました」
「二年くらい前かな」
妹達は知っていたらしい。
私は全く知らなかった。
私はここ数年間、殆ど家には居なかったから
知るわけがないんだけど。
「もう>>1ちゃんにも私にも
金銭面でも苦労はさせないって言ってくれたの、
再婚だから慎重にいきたくて2年も待たせちゃった」
母が俯く。
「今までよくやってくれたね…」
ポツリと溢した。
母の口から初めて聞いた労いの言葉だった。
母の幸せそうな顔を見て、反対なんて出来ない。
「私が先に死んでも、あ
なたたちの世話をするってプロポーズしてくれたのよ」
もう私も大人だから母の決断に口出しはしない。
心残りがあるとしたら…
一瞥をくれると、妹達は目をキラキラさせて喜んでいた。
「おじちゃん、お父さんになるの?」
―きっと彼なら、幸せを与えてくれるだろう。
「よろしくお願いします」
頭を下げた。
家族に、父が加わった。
この日までを振り返り、
漫画のようだと友達に話したら、
「事実は小説よりも奇なりって本当だよね」と唸った。
年末、最後の授業で
「先生、初詣に行きませんか」
とA君に誘われたとき
「カナちゃんも一緒に行かない?」
と返しておいたのだ。
「せんせー!二人っきりじゃないなんて
気が利かないじゃん!」
カナちゃんが拗ねたように口を尖らす。
「あ…!本当だ、ごめんね」
「ふふ、ウソウソ!先生に会えて嬉しいよー」
可笑しそうにカナちゃんが私の腕に絡む。
二人は受験の一年を迎える。
帰り際、カナちゃんは
A君と同じ大学の違う学部を受けることにしたと
こっそり耳打ちしてくれた。
まださぁくんには言わないでね、との言葉も添えて。
会長からは
「お年賀 有り難う 昨年は 楽しかった です。
また 近々 お食事にでも 行きましょう。
紹介したい 人が います」
とのメールが届いていた。
その年から、一人暮らしを始めた。
これからは働いたお金は自分のためだけに遣って良い、と
何度も念を押されたので学生の内は素直に従うことにした。
それぐらいしてもバチは当たらないよ、と祖母に言われた。
私がいると義父が遠慮しかねないということが
大部分を占めていた。
家族なんだから、気兼ねなく暮らしてほしい。
私は元々家を空けることが多い。
居酒屋や24時間体制のバイトの関係で
夜中に帰ることも多々あった。
家族の生活リズムを考えると、
この選択でいいのだろうと考えた。
私と義父は、ゆっくり打ち解ければ良いだろう。
なんて思う俺
悪人ってカルト宗教のご近所さんだけかw
俺もカルト宗教には拉致されたり父親他界したとき
母親がご先祖様がー攻撃受けてるけど。
最初は裏があるってずっと疑っていました。
今でも、どうしてあんなに
自分に良くしてくれたのか解りません。
そんなことがあったんですね(;;)
今、>>217さんが平穏に過ごせています様に。
ああwわざわざレスありがとう。
俺のも相当前の話で過去形なので今は全然平穏です
続き楽しみにしてます。
ようやく会長と夕食をご一緒する機会が出来た。
「そう!丸く収まったんだな!よくやった!めでたい!」
ハッハッハ、と笑って会長はワインを飲み干した。
私の手元には白桃で割ったシャンパン。
お酒が弱い私のために、
白桃を強めに作ってくれたオリジナルシャンパン。
「それで紹介したい人には会ってくれるかな?」
「会ってくれるかな?」
詳細を尋ねると、
どうやら三十代半ばの女の人だということが分かった。
バックパッカーで、四か国語を話すらしい。
「会ってみたいです」
私とは縁遠いタイプの人だ。
きっと、この機会を逃せば二度と知り合えない。
「よしきた!その女性のアドレスと番号はこれね。
向こうの了承済みだから。
不安ならこれ、スカイプ?のアカウント?だそうだ。」
会長がそわそわしながら手帳を取り出す。
一枚のメモに筆ペンでいろいろと書かれている。
会長の表情の変化は目まぐるしくて、見ていて面白い。
歳だとは思えないくらい、彼のペースは勢いがある。
「明日3月の休みを秘書に教えておいてね。
チケットを送るから」
「…チケット?ですか?」
「そう。パスポートは持っているね?」
パスポートはちゃんと持っていた。
数年前に授業の関係で
韓国に行くために作成しておいたものだった。
相手の人はエイミーと言うらしい。
出発までの一ヶ月弱は、通話やチャットを重ねた。
時差があるのでメールのやり取りが一番多かった。
手ぶらでいいよlol、なんてメールも
エイミーさんから言われると説得力がある。
エイミーさんはそんな気さくな人だった。
バイトや家庭教師は正直に話して
日程を調整してもらった。
A君とおじさまからは「楽しんでおいで」と
まるで自分のことのように楽しみにしてくれた。
そして、その日はきた。
「ははは、隠しおって」
会長の第一声はこれだった。
「?」
「1月。誕生日だったろう?
履歴書を見て以来覚えていたんだよ。
僕も言うのをすっかり忘れてたけどね。
おめでとう。この旅は僕からのプレゼントだ」
あえて教えなかったのに。
会長もきっとわざと
このタイミングで教えてくれたのだろう。
「Have a good trip!」
こんな人が本当にいるなんて。
神様、仏様、閻魔様。
こういう運命に導いてくれた何かがあるのなら、
全力でお礼を言いたい。
この先は、私が誰かを助ける側にならないと。
その為、下調べを何度もしてこの日に備えた。
当日は容易に搭乗手続きまで済ませられた。
行き交う人々と飛行機に想いを馳せる。
皆それぞれ目的の場所があって、
言葉にし尽くせないほど
様々な感情を抱いてここに集っている。
無表情に歩いているあそこの綺麗なお姉さんだって、
内心何らかの感情に満ちているはずだ。
…そんなの、どこにいても一緒なんだけど。
空港という場所は殊更新鮮にそういう気分にさせてくれる。
私はとうとう憧れのニューヨークという地に立っていた。
ケネディ空港から
イエローキャブでマンハッタンまで向かう。
女性が一人でマンハッタンまで来るのは心配だから、
とエイミーさんからの指示だった。
当たり前だが、流れる景色は、
東京や大阪や福岡…日本のどの地とも全く異なる。
建物が高くて、道路も横に広い印象を受けた。
建物や道行く人、看板、
どれをとってもしっくり当てはまる言葉が浮かばない。
「暑い」や「寒い」といった
本質的でシンプルな言葉しか発することが出来なかった。
たくさん浮かれよう、と決めてキャブから降りた。
私は小躍りをしている。
待ち合わせのハードロックカフェ付近でそう確信していると、
目の前のブロンドのご婦人が
バレエのダンサーのように高く脚を挙げてくるくると回った。
驚いて凝視していると、そこに一台のタクシーが停まった。
するりと乗り込む小太りのご婦人。
誰かがブラーボ、と歓声を浴びせた。
年齢は分からないけど
爺ってジジイ呼ばわりしてるのがw
お爺さんとか初老とかにして欲しかったな
私ひどい
エイミーさんだと名乗る女の人は、
私のイメージ通りの人だった。
健康的な色黒で、体の線はすごく細い。
黒くて長い、軽くウェーブのかかった髪に、
クッキリした目鼻立ち。
ダブル(ハーフ)の方かと思った。
後に、長谷川潤さんに似ていると気付く。
「初めまして!よく来たねー!
さ、ご飯行こう、お腹空いたでしょ?」
ちょっとハスキーな声も素敵だ。
モデルさんのように髪をかきあげて、
エイミーさんが歩き出した。
オープンカフェ。
お薦めのハンバーガーを頼み、向きなおす。
「改めて…初めまして、エイミーです。
本名はアミなんだけど、
エイミーで定着しているからエイミーでいいよ!」
ハスキーボイスに訛った日本語が心地良い。
「初めまして、>>1です。」
とは言ったものの、
沢山メールでやり取りしたから
不思議と初めまして、な気分じゃない。
「会長さんから色々聞いたよー大変だったんだって?
頑張りやさんのご褒美だと思って
ニューヨーク楽しんでねー!」
いしし、というようにエイミーさんが笑う。
それにしても似てるねー、懐かしくなるよ」
会長の娘さんの、と相槌をうつ。
エイミーさんは嬉しそうに頷く。
その時、ハンバーガーが運ばれてくる。
「さっ、食べて食べて!」
尋常じゃない量のポテトに驚きつつ、
ハンバーガーをつついた。
今まで旅した国のことを聞かせてほしいとせがんだら、
嬉々として語ってくれた。
ジャマー・マスジットという寺院の逸話。
タイの水上マーケットの仕組み。
ロンドンのタワーブリッジの夜景。
興味深く一通り聞き終えると、食事は終わっていた。
店を出て、ストリートを歩きながら話す。
「いいな、私もバックパックとまではいかなくても
色々行ってみたいです」
エイミーさんはにっこり笑って親指を立てる。
「goood!大切なのは好奇心と時間だよー!
お金なんてどうにかなるんだから、
度胸があるなら行動あるのみだよ」
>鏡を覗いたかのようにそっくりだった。
> 「君がそんなこと知っていたら警戒しちゃうよ。
>生きてなくとも自慢の娘なんだ。別嬪だろう?」
>>1さんは、別嬪さんなんですね
本当なのに誤爆感…何と説明したら良いのか…
あくまでも私は似ているだけですよ
読んで下さる方がいるのが嬉しいです
我ながらネタくさい経験だと自覚しているので、
創作と思って頂いても構いません。
それでも読んでいただいてありがとうございます
背中をぽん、と押されるような一言だった。
考えてみれば、今までお金はどうにかしてきた。
今度からは自分のためにどうにかしてみよう。
できるはずだ。
想像すると、その労力も含めて
キラキラしているような気がした。
ふとあの日のアロマを思い出す。
正しく、あの時に誓いを立てた決意は叶いそうじゃないか。
…それも、自分次第で。
そうだ、A君とカナちゃんには
アロマオイルを土産にしよう。
エイミーさんは
「ね?あ、コーヒーどう?スターバックスには困らないよー」
と吸い込まれるように店内に入っていった。
急いで後を追う。
といっても、決して人を不快にしない気儘さだ。
涼やかな風のような人だった。
相手が自分にない要素を多く持つほど
人は強く惹かれるらしい。
本当にその通りだと思った。
いつかこんな人になりたい。
どれだけ時間がかかっても。
少しでいいから、
エイミーさんのエネルギーを吸収したかった。
足が疲労困憊しても、
「若いんだから次いくよー」と
楽しげに連れ回してくれた。
この旅行中は斬新な経験の連続で、
正直記憶が曖昧だ。
ハーレムにロックフェラーセンター、
メトロポリタン美術館、
ウォール街まで案内してもらった。
エイミーさんの説明は旅人視点で、
旅行本とは全く異なっていた。
「これ、何でしょう?」
「LOOK!これすごいでしょー?! 」
なんて交えながら話し進めていく。
それがとても魅力的だった。
そして、
可能な限りそれはもう膨大な量の写真を撮った。
楽しい時間との別れは本当にあっという間に訪れる。
優しい人に未練を感じつつ、飛行機に乗り込む。
「楽しかったです」
「私も!久しぶりにあんなに動いたよー!」
「私より元気だったじゃないですか!」
ふふ、と笑い合う。
「帰国してもkeep in touch、だよ」
飛行機に乗り込んでも、
ハスキーボイスが脳に焼き付いていた。
絶対また会える。
そんな確信に近い自信があった。
中々会える距離じゃないのに、あまり寂しくなかった。
帰ったら真っ先にエイミーさんと会長に写真を送ろう。
1月は私の誕生日だった。
少し遅くなったけれど20歳の自分と
21歳の自分を思い出した。
20歳の頃の自分は辛くて泣いてばかりいたなぁ、
なんてことは生憎ないが、
本心を言うならば、今の方が何だか自分らしい気がする。
何より、楽しいと思える。
だけど、どの日々も消すことは出来ない宝物だ。
一秒でも欠けていたならば私は限りなく傲慢で、
他人と自分を混同しかねない、
高飛車な人間になっていたかもしれない。
そして、所謂「お金持ち」と呼ばれる人達に出逢った。
彼らのお陰で、カナちゃんやエイミーさんのような
普段の生活では決して知り合えない人々とも交流を持てた。
彼らは揃いも揃って、
いくら払っても手に入らないものを与えてくれた。
それは温かい慈悲だったし、機会だったし、信頼だったし、
言葉に出来ないような未知の感情でもあった。
宝物がいっぱいに増えて、嬉しさで胸が苦しくなる。
思い出、アロマ、財布、そして沢山の写真。
何よりも背中を押し続けてくれた励ましの言葉達。
目先のことに囚われて、動けなくなる。
本当に本当に脆くて、それでいてタフな矛盾した生き物だ。
もがき苦しんでいると、いつかは突破口が見えてくる。
確実ではないし、長い道のりに絶望して、
消耗しきってしまうこともあるかもしれない。
なんなら報われないこともあるかもしれない。
あの時は麻痺していたけれど、本当は羨んだかもしれない。
わがままに振る舞ってみたかったかもしれない。
でも、いいや。
生きていて良かった。
21年目で初めて心からそう思えた。
私が大学2年生の年に、高校2年生だったA君は
今、大学1年生だ。
志望していた国立大医学部に現役で入れたのは奇跡だ、
と喜んでいた。
カナちゃんは第2志望の学校に行くこととなったけれど、
A君の手をしっかりと繋いで幸せそうに笑っていた。
かつての厚化粧は、随分見る影もなくなった。
そろそろ老後を楽しもうかな、と漏らしていた。
「女の子のたくさんいる国に行くのもいいな!」
「奥さまに怒られますよ」
目尻に思い切り皺を作って、それはいかん、と笑った。
恩返しをしたい、と何度も懇願したのに断られたまま
彼は奥様と海外に移住した。
とは言え、あと少し仕事をやりきるんだと張り切っていた。
「最近テニスを始めたんですよ」
と、新しい趣味に精を出しているようだ。
「僕のテニス道具を持ち出したかと思ったら
ハマっちゃったみたい」
とA君は苦笑いをしていた。
時間が合えば、親子二人で打ち合っている。
「何だかんだ楽しそうだね」
「いい練習相手だね」
「さぁくん、超えられたりして…」
カナちゃんと二人で微笑ましく見守る。
家庭教師を終えても、お邪魔しては近況を語り合う。
何にも代えがたい愛しい時間は、
いつまでも、途切れない。
…と言いたいけれど、残念ながら今はご無沙汰だ。
ネットもあまり繋がらないような発展途上国にいく、
と言い残してそれきりだ。
facebookで極稀にアップされる彼女は、
ますます黒くなっていて、吹き出してしまった。
「帰ったら全部話すけど、それまでは秘密」
と焦らされている。
全く彼女には到底敵いそうにもない。
義父とはまだぎこちないけど、
漸く打ち解けてきた…かな?
私はそう思ってる。…そうだといいな。
母は相変わらずカルト宗教にはまっているけど、
産まれたときから信じているんだ、
今更誰にも変えられないだろう。
でもまぁ、他人に薦めてない内はいいかな、
と思うことにした。
カルトでも彼女が救われるなら、
それは一応宗教じゃないか。
今が一番幸せだと言っていた。
でも、その幸せは間違っても
なんちゃら先生のお陰じゃないと思う、とは言わない。
本当にありがとうございました。
作家志望でも何でもありませんので、
きっと何が言いたいのかは
最後まで不明瞭だったと思います。
何でもいいから
何かをぼんやり伝えられたらいいなーと思い立てました。
これで私の人生が変わる一部始終と
変えてくれた人達の話しは終わりです。
ありがとうございました(*・ω・*)
密かにA君とくっついて欲しいと思いながら読んでたw
今>>1は4年だよね。就職決まったの?彼氏はいる?
考えもしなかったです!
就職は、大きく分けると翻訳業といったところです。
色々あったけれど、
今は、器の大きい熊のような彼が居てくれています。
ほっこりするね!
そう思っていただけるなんて幸せです。
書いてみて良かった。
ありがとうございます!
小説臭くなってから一気につまんなくなったぞ
もっと頑張れ!
小説くさいなーと思って書いてましたw
途中で語り口調を見失いました…。
読んでいただいてありがとうございます。
最後の最後までドラマチックという訳ではないのが
私の人生に似つかわしいようです
もっとおもしょい展開きたいしてたのにげんなり
ごめんなさい(;;)
確かに後半色々はしょりすぎたかもしれないです。
でも、最後まで見てくれてありがとうございました。
疑りたい気持ちもあるけど、
1から素直で純粋な雰囲気が伝わってくるから、
こっちもまっさらな気持ちで読める。
ありがとう
なんかありがとう
>>287
ありがとうなんて、恐縮です!
こちらこそ本当にありがとうございました
日本に帰ってきてから今までのことはなにかないの?
書くか迷ったんですが、
海外に一人旅を何度か経験しました。
エイミーナイズドが少し重症になったこと以外は
生活は大して変わっていませんよー
久しぶりにほっこりした
1さんの性格がうらやましい
スキルあるから仕事もできたわけだし、
今無職の自分にはうらやましすぎるぜこのヤロウwww
無職って失うものがないから
何でもやれるって何かで見ました(`・ω・´)!
いつか天職に出会えますように。
ありがとうございました(*´・ω・`*)
でも良い人に会えてよかったね!
そういう竹を割ったような意見も大好きですよ、
読んでいただいてありがとうございました(*´∀`*)ノ゙
俺も腐ってないでもう少し積極的に生きようと思えたわ
>>1ありがとう